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今さら聞けない、オーガニック認証ってなに?そのトレンドや賢い買い方は?

サステナブルな暮らしが注目を集めるなか健康や食の安全への関心が高まり、「なんとなく良さそう」という理由でオーガニック製品を選ぶ方も多いのではないでしょうか?

食品に限らずコスメや衣類にもオーガニックの波は広がっていて、海外セレブのミランダ・カーやハリウッド女優のグウィネス・パルトロウはオーガニックコスメのプロデュースまでしています。

ところが、実際に購入しようと手に取ると「認証マーク」がついていたりいなかったり、そのマークにも種類があることに気づかれたのでは?

ここでは少しわかりにくいオーガニックの認証制度についてご紹介します。

バリキャリ女性に役立つ食生活とは?仕事のパフォーマンスと食事の深い関係。

目次

有名なオーガニック認証と注目したい新しい認証

「オーガニック」とは化学的な肥料や農薬を使わずに農作物を育てること。そのようにして育てられた農作物を使って作った製品のことを「オーガニック食品」「オーガニック製品」とよびます。

そして、「オーガニック」として販売する場合、生産者や加工業者は登録認証機関の検査、認証を受け「認証マーク」を付けることが義務付けられています。

また、「オーガニック」と「有機」は同じ意味です。世界には多くのオーガニック認定基準があり統一したものがありません。

地域や国、団体によって違う認定マークの中からよく目にするものと新しくできたものを紹介します。

有機JASマーク(日本)

野菜や果物に貼付され、スーパーなどでよく目にする「有機JASマーク」は、日本の農林水産省の認可を得たいわば国が認めたオーガニックの証です。

日本のJAS法では、有機農産物、有機畜産物、有機加工品を「オーガニック」「有機」として表示、販売する場合、認定機関に農作物や製品を申請の上、認可を受け、JASマークを表示することが義務付けられています。

実際のマークには認定機関名もきちんと表記されているので、いちばん身近に選択しやすいマークかもしれません。

現在、日本のオーガニック基準は「有機農産物」「有機加工食品」「有機畜産物」「有機飼料」の4種類。国でオーガニック基準を決めていない水産物、繊維、コスメなどは表示責任者が「有機」「オーガニック」の根拠を説明する必要があります。

参照:日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会

USDA(アメリカ合衆国)

アメリカ農務省(United States Department of Agriculture)によるオーガニック認証マーク。

有機JASと同様に国が定めた認証制度です。原材料はもちろん、工場などにも厳格な基準が設けられ世界でも最高レベルの厳しい評価基準だと言われています。

USDAオーガニック認証には、「100%オーガニック」から使用している原料が70%未満の場合まで4つのカテゴリがありますが、95%以上がオーガニック原料で作られているもののみUSDAマークの表示が許されています。

認証の対象は「農産物」「畜産物」「アルコール・タバコ」「テキスタイル」「化粧品」があります。

参照:ELEMINIST

mother science(ヨーロッパ)

オーガニック先進国が集まるヨーロッパで新しく誕生したのは、オーガニック認定対象を「ヘアケア製品」に限定し定めた、国際グリーン認証mother science(マザーサイエンス)。

mother scienceの基準は一般的なオーガニックの化粧品審査規格よりも厳しく、SDGsの目標に基づいたサスティナビリティに纏わる厳正な審査があることが特徴。「CERTIQUALITY S.r.l.」という第三者機関の100名以上の専門家や約400名の監査人によって厳正な検査が行われています。

その基準は、90%まで天然由来成分、すべての民族・宗教への対応、エコパッケージ、認定工場で生産といったものです。

引用:eLGON

ECOCERT(フランス)

ECOCERT(エコサート)は、1991年の設立以来、本部フランスと130カ国以上でオーガニック製品の監査と認証に関する経験を持つ世界最大規模の国際認定機関。認証の対象は「有機農業」「有機食品」「有機酒類」「オーガニックコスメ」「オーガニックテキスタイル」があります。

オーガニックコスメ認証の世界シェアは75%あり、世界基準のスタンダードとなっているため、オーガニックコスメに注目すると見かけることが多いです。

主に、95%以上が天然由来である、植物原料の95%以上がオーガニック原料である、化学原料は完成品の5%未満であるといった基準があります。

引用:エコサート・ジャパン株式会社

ICEA(イタリア)

ICEA(イチェア)は、AIAB(アイアブ:イタリア有機農業協会)を母体とするオーガニック認証機関。

オーガニック認証機関としては先駆的な存在で、イタリアで最も広く知られている認証機関です。正式名称はICEA(Istituto per la Certificazione Etica ed Ambientale)で、日本語にすると「倫理と環境のための認証協会」となり、認定対象となる製品は食品や化粧品だけでなく建築からホテルにいたります。

単純に「オーガニック」というだけではなく、環境に優しく、倫理的である事がICEAの規格の大きな特徴です。

石油由来原料の使用不可、遺伝子組み換えの原料やコラーゲンや牛脂などの動物由来成分を使用しない、合成染料、シリコンなどの合成誘導体を使用しない、動物実験をしない、自然由来成分は95%以上といった厳格な基準が設けられています。

参照:HERBALTEA

その他にも国や団体によって設定された認定マークはヨーロッパを中心にたくさんあります。

イタリアにはオーガニックの最先端がある

スローフード発祥の地であるイタリアでは、オーガニックとナチュラルプロダクツの国際見本市「SANA」が30年以上前から毎年、ボローニャで開催されています。

世界から1,000を超える団体や企業がイタリアのみならずヨーロッパや世界中から集まってきます。

新型コロナ感染症の世界的流行の前に行われた2019年のトレンドをいくつかピックアップします。

メンタル・ドリンク

Leaveyoursが医師の監修のもと「健康的な方法で集中力を高め、ストレスに打ち勝つため」に開発された「メンタル・ドリンク」。

アシュワガンダ、シーバックソーンといったナチュラルな原料を使用しているので、臓器に負担をかけずに活力をもたらします。

タケノコビール

ピエモンテ州のBambubioが作ったタケノコのビールは、ノンフィルター&ダブルモルトのビールでタケノコの発酵による苦味が特徴です。

カルシウムや鉄、亜鉛などを含み栄養豊富でもあります。インディア・ペールエールのような味わいだとか。

古代小麦

ピザやパスタなどイタリア料理に欠かせない小麦粉。

カムット小麦やファッロ小麦のような古代小麦は普通の小麦よりも栄養価が高く、人口的な加工がほぼされていないことからパレオダイエット(狩猟時代の食生活を取り入れた食事法)食材のひとつとして注目されています。

小麦アレルギーでも食べられる人がいるため普通の小麦の代替えとしても人気。

カムット小麦はオーガニックな土壌での栽培が義務付けられているため、粉そのものはもちろん、パスタなどにも展開されています。

スローフード&オーガニックを掲げるイタリア事情

オーガニックに関心が高いイタリアですが、理由は「スローフード文化」にあるのかもしれません。

スローフードが生まれた町は、イタリアの北西部にあるピエモンテ州のクネオ県ブラ。

きっかけはスローフード協会創始者のカルロ・ペトリーニ氏がレストランを訪れた時に味の変化に気づき、地元のピーマンが安く輸入されたピーマンにとって変わられていることを知ったことだそう。

そして1986年にイタリア・ローマにオープンしたファーストフード店の反対運動をきっかけに「Slow Food」が設立されました。スローフード協会の支部は現在世界160カ国以上にあります。

スローフード運動は開始以来高まり続け、ついにスローフード協会は大学を開設。

ブラ郊外の小さな街、ポッレンツォに、イタリア政府公認の食科学大学(Università degli Studi di Scienze Gastronomiche)を2004年に設立しました。通称「スローフード大学」と呼ばれています。

この大学では、授業の一環として世界中の生産者を訪問したり、学食では世界のトップシェフが作ったランチを食べられたりします。日本の大学とも協定を結んでいます。

参照:SMART ECO TOWN

また、JETRO(日本貿易振興機構)の報告によるとオーガニック市場が世界的な増加を見せるなかで、イタリアのオーガニック市場は飛躍的に伸びているそうです。

消費や輸出だけでなく、オーガニック製品に関わる農家・製造・流通従事者と作付面積は増加傾向にあるヨーロッパのかなでも高い伸び率で推移しています。

ヨーロッパ主要国の全作付面積に対するオーガニック製品作付面積の割合(%)
引用:JETRO/イタリアのオーガニック市場データ

ヨーロッパ主要国のオーガニック製品に関する事業従事者(農家、製造、流通)
引用:JETRO/イタリアのオーガニック市場データ

オーガニックスーパーやネットショップを利用してみよう

環境保護や健康への配慮からオーガニック商品を取り扱うスーパーや専門店が増加しています。近くにあればお散歩がてら訪れてみるのもいいかもしれません。

実店舗

ビオセボン

東京、神奈川に28店舗(2022年1月現在)を展開する、パリ生まれのオーガニックスーパー。

https://www.bio-c-bon.jp

こだわりや

東京、神奈川、埼玉、千葉に45店舗(2022年1月現在)を展開する、化学的農薬や肥料、合成添加物などをできるだけ含まない主に国内産原料の食品や、日本及び外国産のオーガニック食品を取り扱う専門店。

https://www.kodawariichiba.com

ナチュラルハウス

首都圏や関西に12店舗(2022年1月現在)。地産地消にも力をいれ、持続可能な循環型社会を目指す。オリジナル企画や全国からセレクトした国産オーガニック専門店。

https://www.naturalhouse.co.jp

ビオラル

大手スーパーチェーン「ライフ」が展開するオーガニック食品や健康にこだわった商品に特化したスーパー。首都圏と大阪に5店舗(2022年1月現在)あり。

http://www.lifecorp.jp/store/bio-ral/

GLOSA ORGANIC

芦屋、神戸、西宮・苦楽園、大阪に6店舗(2022年1月現在)を展開するオシャレなオーガニックスーパー。手作りや無添加にこだわったオリジナルスイーツやお弁当、お惣菜も人気。

https://www.g-a.jp

斗々屋

2021年にオープンした有機栽培、動物保護、フェアトレードの商品を扱う京都にあるオーガニックショップ。
すべての食材を個包装せず、量り売りを実施。ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)の社会を目指している。

https://totoya-zerowaste.com

ネットショップ

パブリックマークス

クオリティにこだわったナチュラル・オーガニック商品を、コストを抑えて提供する会員制オンラインストア。

https://publicmarks.com

eLGON

イタリア・ミラノ創業で50年の歴史を持ち、プロフェッショナル・サロンを中心に世界93か国に展開。
サスティナブルな未来を目指し、SDGsを推進するグローバル・コスメティックブランド。
エルゴン製品を取り扱う国内正規直営店。

https://elgon.co.jp

iHerb

世界150か国以上で利用されている、自然・オーガニックなフード、サプリ、日用品などを取り扱うECサイト。
日本国内で買えない商品もあり、社会や環境にポジティブな商品を買いたい人に大人気。

https://jp.iherb.com

まとめ

誰もが人間らしく生活できる「サステナブル」な社会の設計には、人・環境・社会に配慮した商品やサービスを選択する「エシカル消費」が必要だと言われています。

日常で頻繁に食べるもの、使うものこそオーガニック認証マークが付いた商品を購入することで、「持続可能な暮らし」の可能性が広がります。買うなら、「地球と人にやさしい」方を選びたいですね。

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