いまなぜ、子どものプログラミング教室が人気なの?プログラミング教室の種類と選び方
ここ数年で、子どものプログラミング教室が急速に増えています。背景には、小学校でプログラミング教育が必修化されたことがあげられます。
2000年以降に成人した親御さんは、デジタルネイティブ世代と呼ばれるだけあって、パソコンやプログラミングを身近に感じている方もいらっしゃるでしょう。
さらに、その子ども世代は、ネオ・デジタルネイティブ世代と呼ばれ、ますますコンピューターが身近にあることが当たり前になっていて、今後求められる能力も変わってきています。
この記事では、プログラミング教室が注目されているわけ、プログラミング教室の種類とおおよその費用をご紹介します。
目次
プログラミング教室が注目されているわけ
2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されたことにより、子どものプログラミング教室の人気が急上昇しています。
◆参考記事:賢いママは先取りしている!『プログラミング』
でも、「プログラミングが必修化したからといって、習い事に通うほど重要なことなの?」「他の習い事にくらべて、明確な理由や目標が見つからない。」という声も聞こえます。
今後の社会において、ますます進化するIT技術やAIの台頭により、誰にでもできる仕事は減っていくと予測されています。そんな中で残った仕事の9割は、ITスキルが必要となってくるのです。
そもそも、プログラミングとは、コンピューターを活用し、プログラムを作ることです。
しかし、必修化の本当の目的は、「物事を整理し論理的に考える力」「自ら問題を見つけ、解決策を考える力」を育むことなのです。
もちろん、コンピューターを適切に使うために、情報活用能力やパソコンスキルを身につけることは必要です。
ですが、プログラミング教育においては、「論理的思考力」「問題解決能力」が重要視されています。
その能力は「プログラミング的思考力」とも呼ばれ、プログラミングを学ぶ課程で身につけられることが期待されています。
そのため、お子さんの将来のために、積極的にプログラミングを学ばせたい保護者が増えているのです。
プログラミング教室に通わせたほうがいいの?
プログラミングの学習は、小学生のお子さんにとっては初めて習う内容です。
パソコンやタブレットなどのコンピューターに慣れていないと、学校で戸惑ってしまうこともあるかもしれません。
ご家庭でIT環境を整えたり、プログラミング教室に通わせたりしてフォローしてあげましょう。
選択肢は、習い事に通うだけではありません。
ご家庭のパソコンにプログラミング学習用のソフトを入れたり、未就学のうちは、プログラミング要素のあるおもちゃを取り入れてもいいかもしれません。
どちらにしても、保護者が積極的に関わっていきましょう。
親御さんが興味を持って、一緒に学ぶ姿勢があるのとないのでは、子どものやる気に大きな差が出てきます。
プログラミング教室に通わせるメリット・デメリット
メリット
- 論理的に考えられるようになる
- 想像力が育まれる
- パソコンスキルが身につく
- プログラミング言語やローマ字を通して、英語にも触れられる
- 将来の選択肢を広げられる
- 作りたい結果に向けて、計画力が身につく
また、講師に質問したり、子ども同士わからないところを聞きあったりするので、コミュニケーション能力も育まれます。
デメリット
- 遊びだけで終わってしまう
- 学校の成績に反映されづらい
- 画面を見る時間が長くなる
- 費用が高額になる場合がある
他にも、パソコンを使用した場合、インターネットの危険にさらされる可能性もあるため、パスワードを設定したりなどの対策が必要です。
どんな教室があるの?
プログラミング教室に通うか検討するときに、お子さんに合うか、続けることができるか心配ですよね。
子どものプログラミング教室では、簡単なプログラミング言語を使ってゲームやアニメを作ったり、ロボットを作ってプログラム通りに動かしたりします。
そうして、技術的な知識を学びながら、「論理的思考力」や「問題解決能力」を身につけることができます。
プログラミング教室によって、「ゲームをつくる」「ロボットを作る」「プログラミング言語を学ぶ」など、カリキュラムは幅広くさまざまです。
いきなり入会せず、お子さんがどんなジャンルに興味を示すか見ましょう。
まずは見学や体験教室に足を運ぶことをおすすめします。
プログラミング教室4つのジャンル
画面で行うプログラミング教室
パソコンやタブレットの画面を使って、プログラミングを行っていきます。
初心者向けビジュアルプログラミング「Scratch」「VISCUIT」や、本格的なプログラミング言語「Java」「C言語」などがよく使われています。
ゲームの制作を通してプログラミングを学ぶ教室も多いため、ゲーム好きなお子さんは楽しめるでしょう。
ロボット系教室
ロボットを組み立てて、命令通りに動かすことでプログラミングを学びます。
制作系は、製作用教材費が高くなりがちです。
ですが、画面を見る時間が少なくて済むことはメリットのひとつでもあります。
ブロック遊びや工作が好きなお子さんに向いています。
パソコン教室
パソコンスキルの習得に重点を置いています。
タイピングやエクセル・ワードなど、より実践的な内容を学んでいきます。
基礎的なパソコン操作に加え、プログラミングに触れている教室もあります。
費用はリーズナブルなところが多い印象です。
STEM教育系スクール
STEM(ステム)教育は、将来の科学技術開発・発展に必要な各分野を総合的に学ぶことを目的としています。
S:Science 科学
T:Technology 技術
E:Engineering 工学
(A:Art 芸術)
M:Mathematics 数学
STEM教育に芸術の分野を追加して、STEAM(スティーム)教育とも呼ばれます。
2009年にオバマ大統領がSTEM教育に力を入れると発表したことで注目されました。
世界各国でも教育カリキュラムとして取り入れられている、新しい時代の教育法といえるものです。
プログラミング教室の中には、STEM教育を取り入れているところもあります。
こうした教室では、プログラミングに加え、科学・数学・芸術などの分野を+αとして、幅広く学ぶことができます。
プログラミング教室は何歳から?
教室によってさまざまですが、だいたい5歳くらいからはじめられるところが多いようです。
また、年齢や実力によってコースが分かれているところも多いので、幼いからといって心配する必要はありません。
タイピングやエクセル・ワードなどを中心としたパソコン教室系は、ローマ字をよく使うため、小学校低学年ころからスタートするのがよさそうです。
小学生のみとしている教室もあれば、中高生までコースを設定しているところもあります。
プログラミングは年齢に関係なく学べるのも魅力です。子どもが興味をもったときが始めどきといえるでしょう。
プログラミング教室には、一般的な習い事のように曜日ごと・月数回といった通塾型の他に、ワークショップやキャンプなどのイベント型もあります。
夏休みなどの長期休暇に多く開催され、単発・短期で習うことが出来るのが魅力です。送り迎えが難しい場合には、通信・オンラインもあります。定期的に教材などが送られ、課題を提出します。
近くにプログラミング教室やイベントがなくても始められますし、通塾に比べ費用も抑えられるようです。
自立していて、コツコツ学ぶのが得意なお子さんにおすすめです。
プログラミング教室にかかるおおよその費用
- 入会金 5,000円~15,000円
- 授業料 月2回 6,000円~12,000円 月4回 7,000円~18,000円
※月額制・チケット制など形態はさまざま - 教材費 1,000円~60,000円程度(ロボット制作系は、費用が高額なところもある)
※施設利用料・パソコン使用料など別途費用がかかるケースも
教材は買い取り、または、レンタルできるケースもあります。授業料に加え教材費がかかってしまうため、他の習い事に比べると割高な印象です。
プログラミングの資格
プログラミングスキルは形に残りにくいものです。
最近では、小学生向けプログラミング・ロボットの資格も出てきています。
受験料はだいたい5,000円以下です。
資格取得を目指すことで、自分のスキルが確認できますし、自信もつきます。
将来、就職活動などの履歴書に書くこともできるので、せっかくプログラミング教室に通うのであれば、資格や検定を受けることも視野にいれてみてはいかがでしょうか?
まとめ
今、プログラミング教室の人気が急上昇しているのは、将来、社会のニーズに応えられるような能力を習得し準備しておくためです。
お子さんの将来の選択肢を増やすためにも、習わせたい親御さんが多いのですね。
これからは、スイミングスクールや英語教室のように、プログラミング教室に通うことが定番化していくでしょう。
教室それぞれによって学習内容や形態はさまざまなので、事前の見学や体験教室に行くことをおすすめします。
プログラミング教室が流行りだからといって通わせるのではなく、子どもの適正をよく見て判断しましょう。