“賢い子”に育てるために知っておきたい!【食育】のコツ
子どもの「食」は大切です。なぜなら、子ども時代は発育や発達の重要な時期にあるから。
でも、現実では栄養が偏っている子や朝食を抜いている子がいたり、肥満児も増加しているなど、子どもの「食」の問題は深刻化しています。
そんな子どもたちの「食」を取り巻く問題を解決するには、子どもが自分でバランスのよい「食」を選べる力を少しずつ身につけたり、「食」を通じて健康的な生活を送ることの大切さを知るというような「食育」が必要です。
「食育」と言うと「どうすればよいのかわからない…」と思ってしまいますが、それなら親子で一緒に「食」について学んでみませんか?
この記事では、食育イントラクターの資格を持つ筆者が、親子で簡単にできる「食育」のコツをご紹介します。
◆「なぜ?」と聞かれたらこう答える!“賢い子”を育てる【食育】Q&A
目次
【コツ①】スーパーに旬の食材さがしに行こう!
スーパーに食材を買いに行くと、大きなカボチャや、まるまるとしたトウガンが置いてあったり…。
魚売り場には、泳いでいた姿のままのお魚もありますよね。
このように、食材を目で“見る”、少しだけでも“触れる”経験ができるのも、スーパーでのお買い物のメリットです。
旬の食材は、他の季節のものに比べて味もよく、栄養価が高いのが特徴です。
また、旬のものを選ぶことで“季節を感じる”ことも自然にできるようになりますよ。
以下に、旬の食材がよい理由をまとめておきます。
◆旬の食材がよい理由
- 最も味がよい
- 栄養価が高い
- その季節に人の体が必要としている栄養素を多く含む
- 価格が安定しており安価で手に入る
【コツ②】一緒に“下ごしらえ”をしてみよう!
お子さんと一緒に料理の“下ごしらえ”をしてみるのはどうでしょう?
子どもにとってはお手伝いも楽しい時間になりますし、お母さんやお父さんが調理している様子を隣で見るだけでも新しい発見があるはずです。
例えば、オクラを切ると星形になったり、レンコンを切ると穴がいっぱいあったり…。そら豆を剥く、トウモロコシのひげを取るのも楽しい作業ですよね。
そんな発見や経験が、お子さんの知識や発想力につながっていくと思います。
そして、自分がお手伝いしたものが調理されて自分のものとして食べる。それにより、食材がより身近に感じられ、食べることへの興味につながっていくのです。
以下に、一緒にできる下ごしらえのアイデアをご紹介しておきます。
◆下ごしらえアイデア
- すり鉢やすりこぎでゴマをする
- かつお節やゴマをかけたり、あえてみる
- ゆで卵の皮をむく
3~4歳くらいになれば、お母さんやお父さんと一緒に包丁や皮むき器を使うのもよいと思います。
安全性の高い子ども用の包丁もネットなどで購入できますので、ぜひお試しを!
【コツ③】自宅で野菜や果物を育ててみよう!
春にはイチゴ、夏にはシソやキュウリ、トマトなど…。比較的育ちやすく、実がなる、花が咲くなどという変化があるものを育てると大人も子どもも楽しいですよね。
マンションのベランダでも、土やプランターを用意すれば野菜や果物は十分育ちます。
ホームセンターに行ってみると種はもちろん、苗ごと売っている野菜や果物もありますし、栽培キットが売っている雑貨屋さんなどもあります。
ぜひ、お子さんには毎日の水やりを任せてみましょう。
野菜や果物の成長を感じることで、“自分が育てている”という意識が膨らみ、思いやりの心も育ってくるはずです。
そして、自分が育てたものだからこそ、もともとは嫌いな食材もとべられるようになったという話もありますよ(実は、筆者の子どももそうでした)!
【コツ④】一緒に楽しく「美味しいね」と食べよう!
ここでとっても大切なことをひとつ。それは、家族で一緒に会話を楽しみながら食べること。
「でも私、いつも子どもに食べさせながらバタバタしてる…」と罪悪感は持たないでくださいね。それでもいいのです。ポイントは、“一緒に”“楽しく”ということ。
「同じ釜の飯を食う」ということわざがあるように、「共食(誰かと共に食べること)」は重要です。家族やまわりの人が美味しそうに食べているから、子どもは“食べてみたい”という気持ちが高まるのです。
お母さんやお父さんは立派な食事を作ることが大切なのではなく、できるだけ子どもと一緒に食卓を囲むこと。そして楽しい時間を共有し、美味しいもの共感することを心掛けてみてはいかがでしょうか。
もちろん、おじいちゃんやおばあちゃん、親御さんの友達などと食事をするのもよい機会だと思います。
そこから生まれるコミュニケーションがお子さんの社会性や協調性を育み、大きく成長させてくれるはずですよ。
【コツ⑤】季節の行事に関する「食」に注目!
日本の季節の行事で思い浮かぶものは何でしょう?
お正月や節分、ひな祭り、子どもの節句、お月見など。どれにも食べ物が関わってきますよね。
そんな行事は食育のよい機会になります。
行事にまつわる「食」を取り入れて、なぜその「食」が行事に関わっているのかを親子で学んでみましょう。
もちろん、お母さんやお父さんができる時だけで構いません!
例えば、節分の豆まきでは、鬼をやっつけて福を招き、その年の無病息災を願うというもの。
また、お月見では月見団子を食べますよね。お米を主食とし、米文化が根付いている日本の行事には餅や団子が欠かせないもの。お月見では月見団子を供えて作物の収穫に感謝するのです。
月見団子を一緒に作りながら、そんな話をお子さんとしてみてはどうでしょうか。
調理とまではいかなくても、冬至の日に柚子湯をしたり、かぼちゃを食べたりするのもひとつの「食育」になります。
ちなみに、かぼちゃ(なんきん)を食べるのは、冬至を1年の締めくくりの日ととらえて「いろはにほへと」の最後にあたる「ん」のつくものを食べるのがよいという縁起担ぎだそうです。
私たちもまだまだ知らないことがいっぱいありますね。
【コツ⑥】「食」が出てくる絵本を読んでみよう!
親子の触れ合いにぴったりの「絵本」。絵本でも食べ物はたくさん登場します。ぜひ、絵本でも「食」に触れてみませんか?
それにしても、絵本に出てくる食べ物って…本当においしそうですよね!
筆者と子どもが大好きな絵本を紹介します。ぜひ読んでみてくださいね。
筆者と子どもが大好きな絵本を紹介します。ぜひ読んでみてくださいね。
◎やさい だいすき
(https://www.kogumasha.co.jp/product/400/)
◎しろくまちゃんのホットケーキ
(https://www.kogumasha.co.jp/product/305/)
◎おおきなかぶ
(https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=51)
◎くだもの
(https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=432)
◎からすのパンやさん
(https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784032060706)
◎おばけのてんぷら
(https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3090029.html)
「食育」に積極的なタレントさんって?
なお、芸能界にも「食育」について学んだり、実践されている人がたくさんいますので少しご紹介します。
安田美沙子さん
タレントの安田美沙子さんは、食育インストラクターインストラクターや健康食コーディネーターの資格を持ち、食育活動を始めるかたわら、現在は日本の文化を学びながら日常を豊かにするプロダクトも開発中。ChefooDoという食の団体にも所属して活動されており、料理本も出版されています。
2人のお子さんがいらっしゃるようなのですが、自分で味噌を作ったり、農園に行って収穫体験をしたり、家の生ゴミを堆肥化するコンポストをしたりと、お子さんと一緒に食育を楽しまれているようですよ。
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和田明日香さん
タレントであり料理研究家の和田明日香さん。夫である平野レミさん次男にすすめられて食育インストラクターの資格を取得。資格取得の際に学んだことを活用し、テレビでレシピの紹介やレシピ本を出版するなど多岐にわたる活動をされています。
3人の子育てをされながら、各メディアでのオリジナルレシピ紹介、企業へのレシピ提供など、料理家としての活動のほか、各地での講演会、コラム執筆、CM出演などをされています。
お手伝いは子どもに任せたり、食事の始めにはいつも“野菜ゲーム(食事で使っている野菜の数を何種類かお子さんに教えておき、ご飯を食べるごとに野菜を見つけて答えていく)”をされているなど、食を楽しむアイデアは真似したいところです。
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「食」に興味がないと子どもはどうなる?
ちなみに、親が食育に興味がないと子どもはどうなるのでしょうか?以下に興味深い調査結果があります。
母親の生活習慣と子どもの食習慣についての関係を評価されたところ、「親の生活習慣が悪いと、親が食育に関心がなく、栄養バランスを考えない傾向にあり、子どもの孤食も多い」という結果が出ていました。
また、「子供のメディア利用時間が長いほど、子どもは朝食を欠食し、野菜を食べず、1日2回以上間食をする」という結果も。
もちろん、一概に何がよくて何が悪いとは言えませんが「食」を大切に考えるかどうかが子どもの健康を左右するということは言えるのではないかなと思います。
※参考(https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2019/008274.php)
また、京都の市立中学生への調査では、「1人で夕食を食べると答えた生徒は生活が充実していないと答えた割合が高い」「給食や弁当を食べている生徒の方が、市販品を持参する生徒より生活が充実していると回答した割合が高い」とする結果も出ていました。
「食」と生活が充実しているかどうかは密接につながっているものなのですね。
※参考(https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/575627)
「食育」を難しく考えないで!お子さんと一緒に“楽しむ”ことから始めましょう。
正しい食の知識や食習慣を子どもたちに伝えるためにも、まずは大人が子どもと「食」について関心を持つことが大切です。
忙しい毎日のなかでも、お子さんと少しずつ食に触れ、考えられる時間を持つことを意識してくださいね。