次世代教育。最先端の子どものプログラミング教育とは?
最近、子どもの習い事として人気が急上昇している「プログラミング」。
2020年に小学校でもプログラミング教育が必修となったことで、ますます身近になっています。
ですが、プログラミングってどんなことをするのか説明できるでしょうか?
仕組みや、なぜ必修化になったかなど、説明するのはむずかしいですよね。
ここでは、「プログラミングとはなにか」「今後子どもたちにどう関わっていくか」「どんな職業に活かされているのか」ということに注目してご説明します。
◆子どもの習い事、何を選ぶ?【2022年】人気のおすすめ習い事5選
目次
いまさら聞けない!そもそもプログラミングとはなに?
プログラミングは身近なところでも活用されています。
例えば、家電や自動車などにもコンピューターが内蔵され、私たちの生活を便利で豊かなものにしてくれているのです。
コンピューターは自分の頭で考えることができないので、手順が書かれている命令(プログラム)どおりにしか動けません。
そのため、人間が、コンピューターに実行してほしい作業の命令を一つ一つ作ります。
その命令を作ることが「プログラミング」です。
その際、コンピューターが理解できる専用の言語、「機械語」を使います。機械語とは、コンピューター内で数字の“0”と“1”で表現される二進法の言語です。
でも、人間が数字だけで命令を書くことは難しいですよね。
そこで、人間とコンピューターの間でやりとりをするために、「プログラミング言語」を使います。
プログラミング言語は、マイナーなものまで合わせると200種類以上ありますが、プロでもすべて使いこなす人はいないでしょう。
また、プログラミング言語には、それぞれ得意分野があります。
例えば、子ども向けの教材でもよく使われる「Scratch」「VISCUIT」などは、ドラッグ&ドロップといったマウス操作でプログラミングを行っていきます。
「クリックされると」「Halloとしゃべる」などのカラフルな命令ブロックを組み立ていくので、視覚的に捉えやすいのが特徴です。
このようなビジュアルプログラミングは、絵を動かしたり、しゃべらせたりすることが得意なので、ゲームやアニメーションを作るのに向いています。
一方、コードを打ち込むことでプログラムを構築していくプログラミング言語があります。「C言語」「Java」「Python」などは聞いたことがある人もいるかもしれません。
こちらは少し難しくて、全ての指令を文字で打ち込みます。よりクオリティの高いものをスピーディーに作ることができますが、ひと文字でも間違えると「バグ」となってしまいます。
こうした「プログラミング言語」を使って、人間からコンピューターに命令を作成し、コンピューター内で“0”と“1”の羅列である「機械語」に置きかわります。
子どものプログラミング教室では、簡単なプログラミング言語を使ってゲームやアニメを作ったり、ロボットを作ってプログラム通りに動かしたりします。
どうして必修化になったの?
このまま社会全体のデジタル化が進んでいくと、仕事の9割は基本的なITスキルが必要となってきます。
そんな時代に向けて、今の子どもたちに最適な教育として、プログラミング教育が取り入れられたのです。
2012年に中学校でスタートしていたプログラミング教育ですが、2020年度には小学校でも必修化されました。
必修化の目的は、
- プログラミング的思考(論理的思考力)を伸ばす
- 問題解決能力を身に付ける
- IT化に対応できる人材を育てる
- 将来的なキャリアの選択の幅を広げる
などが挙げられています。
将来どのような職業に就くとしても、「プログラミング的思考」「問題解決能力」は必要となってきます。
必修化といっても、「プログラミング」という教科ができるわけではありません。
文部科学省が発表した小学校の学習指導要領には、
「様々な教科・学年・単元で取り入れ」「各学校の創意工夫により、様々な単元等で積極的に取り組む」ということが、記されています。
何年生でどのような授業に取り入れるかということは、学校によるので、全国一律ではありません。
また、教育現場では、パソコンやインターネットなどの情報通信技術(ICT教育)はある程度活用されてきていますが、ICT教育・プログラミング教育どちらも、学校によって取り組み方がさまざまなのが現状です。
◆学校でのプログラミング教育の流れ
2020年 小学校 プログラミング教育必修化(算数・理科・図画工作など)
2021年 中学校 技術・家庭科でのプログラミング拡充(必修化は2012年から)
2022年 高校 プログラミングが含まれる「情報」が新設・必修科目となる
2025年 大学 プログラミングを含む「情報」が大学入試に導入
大学入試にまでプログラミングが入ってくるとは、驚きですね。
プログラミングは何歳から?
プログラミングは、年齢の制限がありません。本人がやりたいと思ったそのときから学び始めることができます。
習い事としてのプログラミング教室では、教室でのカリキュラムにもよりますが、だいたい4・5歳からが多いようです。
ですが、一般的にはプログラミングで必要な論理的思考や、プログラミング言語で使う英語などを理解できるのは、小学校3年生から高学年くらいからだといわれています。
未就学児のうちは、ITに慣れ、興味を持たせるようにしましょう。
プログラミング要素のあるおもちゃを活用したり、プログラミングをテーマとした絵本など、身近なものから取り入れはじめるのがいいかもしれません。
家庭でプログラミング教育の教材を選ぶときの3つのポイント。
ポイント1 料金
無料の教材から数万円という高価なものなどたくさんあります。ですが、教材のクオリティは、価格に左右されないようです。
ポイント2 対象年齢
理解できず使わなくなってしまったり、簡単すぎて物足りなくなってしまわないよう、年齢や能力に適したものを選びましょう。
ポイント3 種類
学びの目的や特徴が異なる、さまざまな種類があります。
アンプラグドタイプの教材
テクノロジーを使わないという意味。本やゲーム・ブロックなどで学ぶ。初心者や幼児におすすめ。
ゲームタイプの教材
ゲーム感覚で楽しく学べる。マインクラフト(マイクラ)など。
タンジブルタイプの教材
「触ることができる」という意味。ブロック同士をケーブルでつないだりしてプログラムを組むので視覚的に理解しやすい。
テキスト言語タイプの教材
文章を読んだり、サンプルコードを書き写したり。中学生や高校生向き。
ビジュアル言語タイプの教材
ドラッグ&ドロップといったマウス操作。小学校のプログラミング教育でも。
ロボットタイプの教材
簡単なコードの入力やマウスの操作で、現物のロボットを操作できる。
子どもに人気!ゲームで学べるプログラミング
家庭でも取り入れやすく、楽しくプログラミングに触れられる「マインクラフト(マイクラ)」がおすすめです。
教育分野からもプログラミングの教材として注目されており、実際にマインクラフトを活用して、プログラミングを学習する小学校もあります。
マインクラフトは、ブロックを配置して建築をしたり、冒険をしたりするゲームです。デジタルの世界で創意工夫して建築すると、「コンピューターに強くなる。センスが伸びる。」というメリットがあります。
基本的な遊び方である「クリエイティブモード」では、家の塀や建物の柵を作るときに、プログラムを組んで自動で作成を行うことができます。
Java版のマインクラフトは、基本的にはパソコン(WindowsやMac)で遊びます。
プログラミングにより機能のカスタマイズや新しい要素の追加が可能なのが特徴です。
よりクオリティの高い建造物がスピーディーに作ることができるので、プログラミングのすごさを実感できます。
複雑なプログラムを組んで遊ぶ場合には、ハイスペックなパソコンを使用することをおすすめします。
ご家庭のOSのスペックが心配な場合は、統合版がおすすめです。
統合版だと、拡張機能は少なめですが、Java版に比べて、ゲーム機やスマホなど、対応機種が多いのが魅力です。
もともとゲームとして発売されたため、夢中になって遊ぶお子さんはとても多いです。
将来どんな仕事に役立つの?
ゲーム開発、AI分野、SNS、YouTubeに代表される動画共有サイト、ショッピングサイトなど
プログラミングに関わる仕事はたくさんあります。
下記はほんの一例です。
プログラマー(PG)
- アプリの開発
- ゲームクリエイター
- ロボット開発
システムエンジニア(SE)
- 社内で使うソフトの設計やシステム開発をする。
- プログラムを作るために何をするべきかを考えるひと(プログラマーとの境界は曖昧)
データサイエンティスト
- 数学やデータ統計の知識を併せ持ち、「ビッグデータ」という機械が集めた情報を、科学的に解析・統計する。
- AI(人口知能)の育成。
データサイエンティストやフリーランスのシステムエンジニア・プログラマーは、高収入が望める職業です。
このような職業に限らず、今後はどのような職種でも、ITに関する専門知識は役立つでしょう。
まとめ
プログラミングが注目されている理由のひとつとしては、ますます進化するIT社会で必要なスキルであることがあげられます。
ですが、プログラミング教育においては、本当に必要とされているのは、そこで身につく「論理的思考」や「問題解決能力」です。
日本では、プログラミング教育に関しては2020年になってようやく始まったところで、米国などと比べると遅れています。
そんな中、学校での教育までにパソコンやタブレットの操作に慣れていないと、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。
IT関連が苦手な親御さんや、よりステップアップを目指したいお子さんは、習い事に通うのもいいでしょう。
いきなり学習として押しつけるのではなく、まずは、子どもの身近にIT環境を整えたり、親も知識を持つことが大切です。
長期休暇には、プログラミング教室のワークショップやイベントも開催されています。
親子でプログラミングを楽しむきっかけとなりますので、ぜひチェックしてみてください。