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ビジネス

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マーケティングの未来 アパレル

デジタルネイティブと呼ばれるZ世代やミレニアル世代の消費者は、「バーチャル世界でモノを選び、購買する」ことが自然になっています。

いま小売市場をターゲットとする起業を考えるならば、ショッピングという行動様式自体の変革を捉えて、最新のビジネスモデルを構築する必要があります。

たとえば、アパレルのラグジュアリーブランド代表格の《Gucci》について考察してみます。この著名なイタリア・ファッションブランドは、すでに数年前からバーチャル世界《Roblox》への進出を見据えて、こと入念な準備を重ねてきたといわれています。

《Roblox》とは子どもたちがゲームを開発して販売できるプラットフォーム。直近の四半期だけでも4億5,400万ドル(約498億円)の収益を上げているゲーム界の巨人市場です。

Roblox

GucciはこのRobloxにおけるバーチャル世界において、短期間のうちに2,000万人の訪問者を獲得し、そのうちの数十万人にGucciのデジタルアパレル商品を販売するという実績をはじき出しました。

Facebook社の社名変更で話題となったメータですが、実際にショッピングという行動様式の一部が、ゲーム市場といういわば未来のメタバース大国に移行しつつあるということでしょう。

今さら聞けないメタバースとは?子供の未来の遊び方と教育がかわる。

この事例を皮切りに、多くの著名ハイファッションブランドがデジタルファッション市場へ進出しており、これにより世のマーケティング手法には根源的な変革が起こりつつあります。

例えばその変革の一端となる、まったく新しいインフルエンサー施策が『Vogue Business』にも紹介されています。モデルやインフルエンサーの全身画像に、デジタルアパレル画像を着せ替えすることができるという、次世代を思わせる商品PR手法です。

これまでアパレル生産メーカーは、洋服のサンプルを大量に配送してインフルエンサーマーティング行わなければなりませんでしたが、デジタルファッションならば衣服は必要ありません。どれほどのコスト削減が叶い、サスティナビリティを訴求できるかは、言わずもがなでしょう。

Influencers are wearing digital versions of physical clothes now|VOGUE BUSINESS

ヘルシー最先端 グレインフリー

《グレインフリー》という言葉、聞いたことはありますか?グルテンフリーというすでに日本人にも馴染みのあるあの概念ではなく、《グレインフリー》という新しい食文化を指す言葉です。多くの日本人にとっては、まだ耳慣れない響きだと思います。

実はこの「グレインフリー GRAIN FREE」(穀物不使用)」は、アメリカ西海岸およびニューヨーク発で、グルテンフリーの次に台頭するトレンドといわれており、いまスタートアップ業界でとても注目されている食文化です。

「グレインフリー GRAIN FREE」(穀物不使用)」は、小麦はもちろん、米やトウモロコシも含まれないところがグルテンフリーとの明確な違いです。いわば究極のヘルシー、究極の炭水化物フリーを目指しています。

いま世界では日々多くのヘルシー食材のスタートアップが、多額の資金調達をしています。そのなかから起業の聖地といわれるシリコンバレーを有するアメリカにおける、グレインフリーに因んだスタートアップの事例を見てみましょう。

シリアルブランドのD2C「Magic Spoon」は、スーパーマーケットや小売店舗を介さず、消費者に直接ECサイトで販売しているユニークなメーカー。近年はインフルエンサーマーケティングとポッドキャスト広告で売り上げを飛躍的に向上させています。

D2C分野は日本市場でも目覚ましい発展を遂げていますが、シリコンバレーからは新たな食のビジネスチャンスが次々と生まれています。

ここで筆者が「Magic Spoon」ブランドのシリアルを取り上げるのは、シリアルなのにグレインフリー、ケトンフレンドリーという“あり得ない”組み合わせの特徴を併せ持っているからです。

このシリアルはナッツ類やドライフルーツ類のみ構成されており、小麦や豆、乳製品のタンパク質など、腸や体の炎症、また食物アレルギーを引き起こす代表食材が入っていないことが注目されています。

色彩豊かな“不健康そう”な見た目もインパクトがあり、ヘルシー=地味という固定概念も覆されます。

消費者のあいだにグレインフリーの動きが広がっているのは、消化力の弱い子供や、ストレスなどで胃腸に不調があるサラリーマンにとって、実はとても恩恵の大きな食習慣だからです。

グレインフリーのように精製していない食材を使った、加工食品や化学物質をふくまないヘルシー食習慣は、いま《パレオダイエット》と呼ばれています。

つまり原始時代に人類が行っていた、ナッツ類、フルーツ、加工していない肉魚、など身体に消化吸収がいいものだけを摂取する生活のことを指すということです。

これまでヴィーガン、マクロビ、グルテンフリー…とさまざまなトレンドが食品業界へ訪れましたが、それ全体がひとつの大きな原始回帰の流れだということが見て取れます。

シリコンバレーから未来のビジネスの流れが生まれていく時代。パレオダイエットのトレンドは、数年内に日本に上陸することは間違いないので、これから女性起業家がビジネスモデル構築する際には要注目となる領域です。

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